奨学金の申請時期は制度によってバラバラです。「大学入学後に調べればいい」と思っていると、入学前に締め切りが過ぎている制度がいくつもあります。
このサイトで調査した48件の奨学金について、申請時期を整理しました(2026年7月22日の横断監査で全件の募集時期を公式再確認済み)。
3つのルートと申請タイミング
奨学金には大きく3つの出どころがあり、それぞれ申請の時期が異なります。
| ルート | 主な申請時期 | 申請先 |
|---|---|---|
| JASSO(予約採用) | 高校3年の春(4〜5月) | 高校経由 |
| JASSO(在学採用) | 大学入学後の春(4月頃)と秋(9〜10月頃)の年2回 | 大学経由 |
| 大学独自(予約型) | 入試出願前〜合格後(秋〜春) | 大学に直接 |
| 大学独自(在学型) | 大学入学後(4〜6月) | 大学経由 |
| 民間財団(春募集) | 4〜6月 | 大学経由または財団に直接 |
| 民間財団(秋募集) | 9〜12月 | 財団に直接が多い |
月別スケジュール表
調査した奨学金から読み取れた申請タイミングを月別に並べました。
| 時期 | 動くこと | 対象となる制度の例 |
|---|---|---|
| 高2の秋〜冬(10〜12月) | 予約型の大学独自奨学金の情報収集(出願は高3の秋) | 志望校の予約型奨学金の対象要件・給付額の確認 |
| 高3の春(4〜5月) | JASSO予約採用の申し込み(高校経由) | JASSO給付型、JASSO第一種、JASSO第二種 |
| 高3の秋(9〜11月) | 秋募集の民間財団・予約型大学奨学金への応募 | コカ・コーラ教育・環境財団(9月上旬〜10月下旬)、本庄国際奨学財団(9/1〜10/31・大学院向け)、早稲田・めざせ!都の西北(第一回10/5〜11/4)、慶應・学問のすゝめ(10/26〜11/24消印有効)、東大さつき会奨学金(10/30〜11/13必着) |
| 高3の冬(12〜1月) | 冬募集の財団・予約型大学奨学金への応募 | 早稲田・めざせ!都の西北(第二回12/15〜1/20)、明光教育研究所(12〜2月)、東大学部学生奨学金(1月中旬〜下旬) |
| 大学入学直前(1〜4月) | 新1年生向け財団・入学時特別増額の確認 | キーエンス財団(2月上旬〜4月上旬)、似鳥国際奨学財団(1/20〜4/20)、服部国際奨学財団(2月下旬〜3月下旬)、JASSO入学時特別増額 |
| 大学1年の春(4〜6月) | JASSO在学採用・大学独自・春募集の民間財団 | 重田教育財団(5/1〜6/30・海外留学向け)、あしなが育英会(5〜6月)、他多数 |
| 大学在学中の夏〜秋(7〜11月) | JASSO在学採用の秋・次年度の秋募集財団(大学院進学者向け含む) | 東北大学 元気・前向き奨学金(7月)、帝人久村奨学金(9月下旬締切・博士進学予定者)、山田長満奨学会(11月頃締切) |
| 学部4年の春(大学院進学予定者) | 大学院進学予定者向けの予約型 | 吉田育英会(大学経由5月中旬締切・推薦依頼校の学部4年次限定) |
JASSOの申請タイミング
JASSO(日本学生支援機構)の奨学金には「予約採用」と「在学採用」の2つのルートがあります。
予約採用(高校3年時に申請)
予約採用は高校が窓口になるため、高校の進路指導室や奨学金担当の先生に確認する必要があります。
在学採用(大学入学後に申請)
- 時期: 春と秋の年2回。JASSO公式の在学採用ページには「なお、貸与奨学金及び給付奨学金は、原則毎年春と秋に奨学生の募集を行います。」と記載されています(春は例年4月頃、秋は例年9〜10月頃)
- 申請先: 在籍大学の学生支援課等を通じて申請
- 対象: 予約採用で不採用だった学生、予約採用に申し込まなかった学生
秋募集は給付型・貸与型(第一種・第二種)のいずれもJASSOとしては実施されますが、学内で実際に受け付ける時期・回数は大学ごとに異なります。秋に申し込めるかどうかは在籍大学の窓口で確認する必要があります。
出典: 日本学生支援機構 申込手続き(在学採用)(2026年8月調べ)
予約採用で採用されなかった場合でも、在学採用で再度申し込むことが可能です。
家計急変採用
- 時期: 随時(家計が急変した時点で申請可能)
- 対象: 保護者の失職・死亡・災害等で家計が急変した学生
大学独自奨学金の申請タイミング
大学独自の奨学金は「予約型」と「在学型」に分かれます。
予約型(入学前に申請)
入学試験の出願前〜合格後に申請するタイプです。入学を決める前に採用結果がわかるため、進学先の判断材料にできます。
- 早稲田大学 めざせ!都の西北奨学金 — 例年2回制(第一回: 10月上旬〜11月上旬/第二回: 12月中旬〜翌1月中旬)。2027年度入学者向けは第一回2026年10月5日〜11月4日、第二回2026年12月15日〜2027年1月20日
- 慶應義塾大学 学問のすゝめ奨学金 — 例年10月下旬〜11月下旬(2027年度入学者向けは2026年10月26日〜11月24日消印有効)
早稲田は第一回で採用候補者900名、第二回で300名の計1,200名を採用予定としており、第一回を逃しても第二回に応募できます。
在学型(入学後に申請)
大学入学後に学内で募集されるタイプです。多くは4〜6月に募集があります。
調査した6校の大学独自奨学金のうち、予約型は3校(早稲田・慶應・東大)、残りは在学型(東北大は7月募集)または自動選考(明治・立命館)でした。
民間財団の申請タイミング
民間財団の奨学金は、大きく「春募集」と「秋募集」の2つのグループに分かれることがわかりました。
春募集(4〜6月)— 最も多い
調査した民間財団は39件です。このうち募集終了が1件(JT国内大学奨学金)、財団としての締切が公表されておらず大学の学内締切に委ねられているものが6件(味の素・中村積善会・日揮実吉・関育英・大林・三菱UFJ信託)あり、募集時期が確認できたのは32件でした。この32件のうち25件(約8割)が、募集期間の一部でも4〜6月にかかっています。大学を通じた推薦制の財団が中心です。
4〜6月にかからない7件は、旭硝子財団(例年2月開始)・服部国際奨学財団(2〜3月)・コカ・コーラ教育・環境財団(9〜10月)・本庄国際奨学財団(9〜10月)・帝人久村奨学金(9月下旬締切)・山田長満奨学会(11月頃)・明光教育研究所(冬頃)です。
該当する25件を締切の早い順に並べました(★は高校3年時に応募する予約型)。
| 時期 | 財団 |
|---|---|
| 〜4月中旬 | マブチ国際育英財団(3月上旬〜4月中旬・大学推薦)、G-7奨学財団(4/1〜4/20頃・学校経由)、似鳥国際奨学財団(1/20〜4/20・個人応募)、岩國育英財団(2/1〜4月下旬・自由応募)、キーエンス財団(2月〜4月上旬・新1年生) |
| 4月 | 日本証券奨学財団(4/22締切・指定30大学推薦)、川村育英会(例年4月頃・学校推薦)、博報堂教育財団(例年4月頃・大学推薦)、竹中育英会(4月下旬締切)、森下仁丹奨学会(1〜3月電話申込・4月下旬書類締切) |
| 5月 | ダイオーズ記念財団(3/1〜5/15)、鷹野学術振興財団(4/1〜5/15必着・直接応募可)、佐藤奨学会(5月中旬締切・学校推薦)、アイザワ記念育英財団(3月下旬〜5月中旬)、日鉄鉱業奨学会(3月上旬〜5月中旬・学校推薦)、戸部眞紀財団(3月〜5月中旬必着)、吉田育英会(5月中旬締切・学部4年次限定)、中谷財団(4月〜5月下旬)、トヨタ女性技術者育成基金(12月頃案内開始〜5月下旬締切)、★伊藤謝恩育英財団(春〜5月頃) |
| 6月 | 重田教育財団(5/1〜6/30・海外留学向け)、あしなが育英会(5〜6月頃)、★電通育英会(対象国公立高校の高3・6月末必着) |
| 幅が広い | JEES給付型(4〜6月頃・プログラムにより異なる)、交通遺児育英会(予約応募は4/1〜翌1月末の通年型) |
※ この表に載せているのは、財団が募集時期を公表している制度だけです。味の素奨学会・中村積善会・日揮・実吉奨学会・関育英奨学会・大林財団・三菱UFJ信託奨学財団の6件は、公式に募集期間の記載がなく、締切は在籍大学の学内締切に委ねられています(三菱UFJ信託は「毎年3月中旬頃に各指定大学へ要項送付」まで、大林は「採否通知は例年7月中」までが公表内容)。在籍校の奨学金窓口で確認する必要があります。
※ 2026年7月更新: 三井住友信託奨学財団は財団の実在が確認できなかったため削除しました。 ※ 2026年7月22日更新(横断監査): 全財団の募集時期を公式再確認しました。**吉田育英会(旧記載9〜10月→5月中旬締切)、旭硝子財団(旧10〜11月→例年2月開始)、服部国際奨学財団(旧11〜1月→2月下旬〜3月下旬)、コカ・コーラ(旧10〜12月→9月上旬〜10月下旬)、似鳥(旧5〜6月→1月下旬〜4月下旬)、帝人久村(旧4〜5月→9月下旬締切)、電通育英会(旧4〜5月の大学推薦→高3の6月末締切)、重田教育財団(旧4〜5月→5/1〜6/30)**と、初版の時期の多くが誤っていました。JT国内大学奨学金は2020年度以降募集終了のため削除しています。
秋募集(9〜12月)
秋〜冬にかけて募集する財団は、個人応募可能な制度が多い傾向がありました。本記事では月レベルの俯瞰にとどめ、各制度の開始日・締切日の詳細は、秋に申請できる制度だけを月別カレンダーにした秋募集カレンダーの記事にまとめています。
| 時期 | 財団の例 |
|---|---|
| 9〜10月 | コカ・コーラ教育・環境財団(高3の秋に応募)、本庄国際奨学財団(大学院向け・個人応募) |
| 9月締切 | 帝人久村奨学金(博士進学予定者・個人応募) |
| 10〜11月 | 山田長満奨学会、キーエンス財団の大学院給付型・返還支援(10月開始) |
| 12〜2月 | 明光教育研究所 |
なお交通遺児育英会(無利子貸与型)は予約応募が4月〜翌年1月と受付期間が長く、在学応募も大学等は各学年10月末まで受け付けています。春・秋の区分に収まらない「通年型」です。
※ 2026年7月31日更新: 秋募集の開始日・締切日レベルの詳細は秋募集カレンダーの記事に集約し、この表は月レベルの俯瞰に整理しました。
大学推薦制の注意点
大学推薦制の財団は、大学内での締め切りが財団への提出締め切りより早いことが多いです。大学の奨学金窓口で早めに情報を確認する必要があります。
調べてわかったこと
48件の奨学金を調べた結果、以下のことがわかりました。
- 最も早い申請時期は高3の秋。 予約型の大学独自奨学金(早稲田10/5〜・慶應10/26〜・東大さつき会10/30〜)は入試出願前の秋に申請が始まります。大学院向けでは帝人久村奨学金が博士進学の約1年半前(9月)に締め切られます
- JASSO予約採用は高3の春。 高校経由の申請のため、高校の情報に注意する必要があります
- 新1年生向けの個人応募型は1〜4月に集中。 キーエンス(2〜4月)・似鳥(1/20〜4/20)・服部(2〜3月)と、入学前後の春が勝負の制度が多いことが再確認で分かりました
- 民間財団の学校推薦型は4〜6月が最多。 募集時期が確認できた32件のうち25件(約8割)が4〜6月にかかっていました。秋募集もありますが、初版で「秋募集」としていた財団の多くは実際には春募集で、当サイトの旧情報が誤っていました
- 大学推薦制の財団は学内締切に注意。 財団の公式締切より1〜2か月早い場合があります
調べてみて気づいたこと
- 「例年○月」と書ける財団の方が少数だった。 民間財団39件のうち、財団自身が募集期間を公表しているのは32件で、残る6件(味の素・中村積善会・日揮実吉・関育英・大林・三菱UFJ信託。ほかに募集終了1件)は「大学経由で応募」としか書いていません。この6件は財団側に締切が存在しないわけではなく、締切が各大学の学内スケジュールに吸収されている構造でした。時期を一覧化しようとすると、この「大学任せ」の層が必ず穴として残ります
- 同じ秋でも「応募の秋」と「結果の秋」が混ざっていた。 高3の10〜11月は早稲田・慶應・東大さつき会の出願が重なる応募の秋である一方、同じ時期にJASSO予約採用の候補者決定通知が届きます。月別に並べて初めて、同じ月に「動く」ことと「待つ」ことが同居していると分かりました
- JASSO在学採用の秋を、当サイトは長く取りこぼしていました。 本記事は以前「一部の大学では秋にも募集あり」と、大学ごとの運用差であるかのように書いていました。実際にはJASSO公式が「原則毎年春と秋に奨学生の募集を行います」と明記しており、制度として年2回あります。春に間に合わなかった人にとっては重要な情報で、書き方ひとつで選択肢を隠していたことになります
調査ノート
調べたこと
- 48件の奨学金ページからapplicationPeriod(申請時期)を抽出・分類(2026年7月22日の横断監査で公式再確認、2026年8月3日の月次監査で再集計)
- 民間財団39件を「募集時期の公表あり32件/なし6件/募集終了1件」に分類し、4〜6月にかかる25件を特定
- JASSO予約採用・在学採用のタイムラインの整理(在学採用の春・秋2回募集を公式ページで逐語確認)
- 大学独自奨学金の予約型・在学型の分類(早稲田・慶應の2027年度入学者向け日程を公式で逐語確認)
- 個人応募可能な制度と大学推薦制の時期的な特徴
調べられなかったこと
- 募集時期を公表していない6財団(味の素・中村積善会・日揮実吉・関育英・大林・三菱UFJ信託)の実際の締切。いずれも大学の学内締切に依存し、公式サイトには記載がありません
- コカ・コーラ教育・環境財団の2027年4月入学者向け応募登録期間(公式トップに記載がなく、本記事の「例年9月上旬〜10月下旬」は前年度実績に基づく表記です)
- 東北大学 元気・前向き奨学金の2027年度募集期間(公式ページがPDFリンクのみで、2026年度分の7月1日〜31日までしか確認できていません)
- 大学内選考の締切日(大学ごとに異なる)
- 高校でのJASSO予約採用の案内時期(高校ごとに異なる)
- 47都道府県の独自奨学金の申請時期
更新履歴
- 2026年8月3日: 月次監査(切り口=researchedAtが古い順)で全面点検。①「調査した25財団のうち約6割」という集計の分母が誤っていた(25は分子)ため、母数の作り方(39件→公表なし6件・募集終了1件を除いた32件)と該当25件の全リストを明示する形に書き直し ②JASSO在学採用を「一部の大学では秋にも募集あり」と大学ごとの運用差のように書いていたのを、公式の「原則毎年春と秋に奨学生の募集を行います」に基づき年2回募集として訂正 ③慶應・早稲田を「高2の秋〜冬」の行に置いていたのを「高3の秋」に修正し、早稲田の第二回募集(12/15〜1/20・300名枠)の欠落を補充 ④吉田育英会(学部4年次限定)を「大学1年の春」の行から分離、旭硝子財団(例年2月開始)を「7〜11月」の行から削除 ⑤似鳥の開始日を「1月下旬」から公式の1月20日に修正
出典
このページの情報は、当サイトの各奨学金ページに記載された申請時期をもとに整理したものです。各制度の詳細と出典は個別ページを参照してください。
- 給付型奨学金 金額比較表 — 39件の給付型奨学金を一覧で比較
- 給付型奨学金41件を調べてわかった全体像 — 給付型奨学金の全体像
- JASSO給付型奨学金 — JASSO予約採用・在学採用の詳細
※ 申請時期は年度により変更されることがあります。最新の募集要項は必ず各制度の公式ページでご確認ください。