制度概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 提供元 | 交通遺児育英会 |
| 種別 | 貸与型(無利子・月額のうち2万円は給付) |
| 対象 | 大学・短大・大学院・専修学校・高専(交通遺児等) |
| 金額 | 月額40,000円・50,000円・60,000円から選択(大学等) |
| 返済要否 | 必要(給付部分を除く。卒業後最長20年・無利子) |
※ 掲載金額は調査時点のものです。年度により変更される場合があります。
交通遺児育英会は、保護者が道路における交通事故で死亡した、または重度の後遺障害を負った家庭の生徒・学生を支援している公益財団法人です。1969年の設立以来、50年以上にわたり交通遺児の進学を支えています。
種別に注意が必要な制度です。 公式の制度区分は「貸与型、ただし、一部給付あり」で、大学等では選択した月額のうち**2万円が給付(返還不要)、残りが無利子貸与(要返還)**という構造です。「交通遺児向け=給付型」と紹介しているサイトもありますが、全額給付ではありません。
貸与額・貸与期間(月額は選択制)
| 対象校 | 月額(選択制) | うち給付 |
|---|---|---|
| 大学・短大・高専4,5年・専修専門課程 | 4万円 / 5万円 / 6万円 | 各2万円 |
| 大学院 | 5万円 / 8万円 / 10万円 | 各2万円 |
| 高校・高専1〜3年・専修高等課程 | 2万円 / 3万円 / 4万円 | 各1万円 |
- 期間: 貸与(給付)開始月から卒業までの最短修業期間(医学・薬学系の大学は6年間)
- 入学一時金(貸与・1年次限定・希望者のみ): 大学・短大等は40万・60万・80万円から選択(高校等は20万・40万・60万円。大学院はなし)
- 総貸与上限額: 812万円(博士課程へ進学する場合は別枠920万円)
- 送金: 定例送金日は2月・5月・8月・11月の各10日で、3か月分ずつ
※ 掲載金額は調査時点のものです。年度により変更される場合があります。
返還について
- 給付部分(大学等は月2万円)を除いた貸与部分を、貸与終了後6か月据え置きの後に返還します
- 無利子です(利子は付きません)
- 返還方法は最長20年間で、月賦・2か月毎・3か月毎・半年賦・年賦から選択できます
- 上級学校への進学時は、申請により卒業まで返還を待つ返還猶予制度があります
応募資格・条件
対象となる家庭
- 保護者が道路における交通事故で死亡した家庭の生徒・学生
- または保護者が交通事故で重度の後遺障害(身体障害者手帳1〜4級、自賠責1〜7級、精神障害者保健福祉手帳1〜3級のいずれか)となった家庭の生徒・学生
- 日本国籍を有する者、または永住者(外国籍の留学生は対象外)
成績要件
学力の基準はありません(公式サイトに明記)。
所得制限(保護者の収入条件・3人世帯の目安)
- 大学・短大・大学院・専修専門課程等: 給与収入者940万円以下 / 自営所得者520万円以下
- 高校等: 給与収入者780万円以下 / 自営所得者360万円以下
補償金や遺族年金・障害年金の額は、審査・選考に考慮されません。
その他の条件
- 申込年齢は原則25歳まで
- 休学中・留年中は応募できません
- 学部不問。個人での応募が可能(大学推薦は不要)
申請方法・スケジュール
予約応募(進学前年に応募。浪人生等も含む)
- 願書受付は4月1日〜翌年1月末(大学等は高校3年時に応募)
- 願書到着月に応じて予約決定通知(大学等は選考委員会を経て7月・10月・2月下旬に正式決定)
- 入学後に返還誓約書・在学証明書を提出し、6月から送金開始(初回は3か月分、希望者は入学一時金も)
在学応募(入学後に応募)
- 大学・短大・高専4,5年・専修専門・大学院: 各学年の10月末まで
- 高校等: 各学年の1月末まで
- 採用後、希望月分から貸与(給付)開始
高校3年生の奨学生には、入学一時金を合格後・入学前に前倒しで受け取れる進学準備金制度、大学等の予約申込者で浪人した人向けの進学支援金制度(40万・60万・80万円から選択)もあります。
他制度との併用可否
併用可能です(公式サイトに「併用可(日本学生支援機構との併用も可)」と明記)。JASSOの給付型・貸与型と組み合わせて利用できます。
奨学金以外の支援(奨学生対象・返還不要)
奨学生になると、以下の返還不要の補助制度も利用できます。
- 進学受験費用補助・自動車運転免許取得費用補助・検定試験費用補助・資格試験費用補助・家賃補助
- 東京・関西の学生寮「心塾」、高校奨学生と保護者のつどい、海外語学研修など
注意点
- 月額のうち給付は2万円で、残りは要返還の無利子貸与です。 全額給付型ではありません
- 返還誓約書(卒業までの総貸与額で契約)の提出がないと送金されません
- 応募には交通事故証明書等の公的書類が必要です(事故が相当以前の場合は死亡診断書・新聞記事・学校長等の証明で代替可)
- 「交通遺児育英会」を名乗る不審なメール・SNS勧誘への注意喚起が公式サイトに掲載されています(個人へのメール・LINE等での勧誘は行っていないとのこと)
出典・公式サイトリンク
出典: 公益財団法人 交通遺児育英会 奨学生募集のご案内(2026年7月調べ)
調査ノート
調べたこと
- 公式の制度区分(「貸与型、ただし、一部給付あり」)と月額の選択制・給付部分の内訳
- 収入条件の具体額(3人世帯目安: 大学等は給与940万円以下/自営520万円以下)
- 学力基準がないこと、JASSO併用可の明記
- 返還条件(無利子・最長20年・卒業後6か月据置・返還猶予制度)
- 奨学生向けの返還不要の各種補助(受験費用・免許・検定・資格・家賃)
- 予約応募・在学応募の受付期間と送金スケジュール
調べられなかったこと
- 採用人数・応募人数・倍率(非公表)
- 「心塾」の入寮条件の詳細
調べてみて気づいたこと
このページの初版(2026年3月)では、この奨学金を「給付型(返済不要)・月額4万〜6万円」と記載していましたが、誤りでした。さらに出典としていた kotsuiji.or.jp は、実は「交通遺児等育成基金」という別法人(交通事故の損害賠償金を運用する育成基金事業の財団)のサイトで、交通遺児育英会の公式は kotsuiji.com でした。ドメインの取り違えに気づかないまま、制度内容を「給付型」と思い込みで書いていたことになります。2026年7月の再調査で公式サイトを確認し、全面的に書き直しました。あしなが育英会と同じく「遺児支援=給付」という先入観は禁物で、貸与+一部給付という構造まで確認する必要があります。
更新履歴
- 2026年7月22日: 公式サイト(kotsuiji.com)を直接確認し全面改訂。種別を「給付型」→「無利子貸与型(月額のうち2万円給付)」に訂正、出典URLを別法人のkotsuiji.or.jpからkotsuiji.comに差し替え、収入条件・返還条件・併用可否を公式情報で追記。