制度概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 提供元 | 川村育英会 |
| 種別 | 給付型(返済不要) |
| 対象 | 大学院修士・大学学部・高等専門学校(理系分野中心) |
| 金額 | 月額30,000〜70,000円 |
| 返済要否 | 不要 |
※ 掲載金額は調査時点のものです。年度により変更される場合があります。
川村育英会は1953年(昭和28年11月)に設立された公益財団法人です(2012年に公益財団法人へ移行)。出捐者はDIC株式会社(旧大日本インキ化学工業)創業者の川村喜十郎氏、DIC株式会社および関連会社です。大学院修士課程・大学学部・高等専門学校の学生を対象に給付型奨学金を提供しています。募集校(令和8年度は大学・大学院48校、高専55校)を通じた学校推薦制です。
支給額・支給期間
- 大学院修士課程: 月額7万円(70,000円)、年額84万円
- 大学学部(2年生以上): 月額4万円(40,000円)、年額48万円
- 高等専門学校(本科3年生以上): 月額3万円(30,000円)、年額36万円
- 期間: 採用時から最短修業年限で卒業・修了するまで。新規採用者は8月分から支給開始
- 支給方法: 原則として年4回、3か月分をまとめて支給
※ 掲載金額は調査時点のものです。現行月額は令和7年度(2025年度)に増額されたもので、令和6年度までは修士6万円・学部3万円・高専2万円でした。
採用倍率・採用人数
| 項目 | データ |
|---|---|
| 採用人数 | 24名(2024年度実績: 修士12名、学部5名、高専7名) |
| 応募人数 | 35名(2024年度実績: 修士19名、学部5名、高専11名) |
| 倍率 | 非公表(応募・採用数からの単純計算では約1.5倍) |
| データ出典 | 川村育英会 令和6年度事業報告書(PDF) |
このデータについて
令和6年度事業報告書に募集人数24名・応募人数35名・採用人数24名の表が掲載されています。区分別では修士(募集12・応募19・採用12)、学部(募集6・応募5・採用5)、高専(募集6・応募11・採用7)。「大学生の募集が定員割れとなったため、高等専門学校生を1名追加で採用いたしました」と経緯まで開示されており、応募者数レベルまで公表する透明性の高い財団です。
推定される競争率
2024年度実績では全体で応募35名に対し採用24名(約1.5倍)。修士枠は約1.6倍、高専枠は約1.6倍、学部枠は定員割れ(応募5名・採用5名)でした。学校推薦制のため母数は各校の学内選考通過者に限られており、推薦を得られれば採用率は比較的高い構造です。
応募資格・条件
成績要件
成績基準が公表されています。成績証明書記載の学業成績に占める、GPA3.0以上もしくは80点以上の成績評価の割合が50%以上であることが要件です(令和7・8年度事業計画書に明記)。
所得制限
父母及び生計を一にする家族の年間収入が原則として600万円以下(祖父母の年金収入は除く)であることが要件です(令和8年度。令和7年度は500万円以下で、年度により変動します)。
その他の条件
- 募集校(令和8年度は大学・大学院48校、高等専門学校55校)に在籍していること
- 対象分野(大学院・大学): 化学、応用化学、化学工学などの化学系、生命科学・工学系、および機械、電気電子工学系、情報科学系を専攻していること
- 対象分野(高専): すべての学科
- 新規採用の対象学年は修士1年・学部2年・高専本科3年
- 学校推薦制(個人での直接応募は不可)
申請方法・スケジュール
- 在籍校の奨学金窓口で募集情報を確認(毎年4月に学校長を経由して募集)
- 学校内選考を経て、学校から財団へ推薦
- 選考・採用決定
- 8月分から奨学金支給開始
※ 令和8年度の募集は対象校の担当者のみに案内されるID・パスワード制の専用ページで実施されています。
他制度との併用可否
他の奨学金との併用可否について、公式サイト・奨学事業運営規程に記載はありません。併用を検討する場合は、在籍校の奨学金窓口または育英会への確認が必要です。
注意点
- 学校推薦制のため、個人での直接応募はできません。在籍校の奨学金窓口に問い合わせてください
- 募集校以外の学校からは応募できません
- 大学・大学院の対象は化学系・生命科学工学系・機械・電気電子・情報科学系の専攻に限られます(高専は全学科対象)
- 1953年設立の歴史ある財団で、令和7年度に月額を増額するなど制度の拡充が続いています
- 修士課程向けの月額7万円は、学校推薦型の財団としては比較的高い水準です
- 高等専門学校の学生も対象としている点が特徴的です
- 採用後は成績証明書・在学証明書を毎年4月末までに提出する義務があり、授与式・交流会・歓送会への出席も求められます
- 博士課程以上向けの研究奨学金(一時金100万円上限)の制度が規程上ありますが、令和5〜8年度は募集されていません
出典・公式サイトリンク
出典: 川村育英会 奨学事業概要(2026年7月調べ) 出典: 川村育英会 情報公開(2026年7月調べ) 出典: 令和6年度事業報告書(PDF)(2026年7月調べ)
調査ノート
調べたこと
- 川村育英会の設立経緯(1953年設立。出捐者は川村喜十郎氏・DIC株式会社及び関連会社。2012年公益財団法人移行)
- 給付額(修士月額7万円、学部月額4万円、高専月額3万円)と増額の経緯(令和6年度までは6万/3万/2万)
- 対象分野の限定(大学・院は化学系・生命科学工学系・機械・電気電子・情報科学系。高専は全学科)
- 募集校数(令和8年度は大学48校・高専55校。事業計画書に全校名を掲載)
- 2024年度の募集・応募・採用実績(募集24名・応募35名・採用24名、区分別内訳と定員割れの経緯まで公表)
- 成績基準(GPA3.0以上または80点以上の評価が50%以上)と所得基準(原則600万円以下=令和8年度、令和7年度は500万円以下)
- 支払方法(年4回3か月分・新規は8月分から)
- 採用後の義務(成績証明書等の毎年提出、授与式・交流会・歓送会出席)
- 研究奨学金(100万円上限一時金)が令和5〜8年度は募集休止中であること
調べてみて気づいたこと
- 事業報告書に募集・応募・採用の3点が区分別で載っており、「大学生の募集が定員割れとなったため、高等専門学校生を1名追加で採用いたしました」という経緯まで書かれています。応募者数どころか定員割れの内情まで開示する財団は、これまで調べた中でもほとんどありませんでした
- 募集校数は大学・大学院48校に対して高等専門学校55校と、高専の方が多いことに気づきました。大学向けのついでに高専も、という構図ではなく、高専生を正面から対象にしている数少ない制度です
- 所得基準が令和7年度500万円以下→令和8年度600万円以下と年度で動いています。前年に基準を超えていた世帯でも年度が変われば対象に入り得る、という動きは要項を年度またぎで見比べて初めて分かる点でした
調べられなかったこと
- 学校推薦の推薦枠(1校あたりの人数。募集人数は区分別総数のみ公表)
- 他の給付型奨学金との併用可否(公式資料に記載なし)
※ 本ページは2026年7月22日に公式一次資料(公式サイト・事業計画書・事業報告書・運営規程)で全面再検証済みです。