制度概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 提供元 | 戸部眞紀財団 |
| 種別 | 給付型(返済不要) |
| 対象 | 学部3年以上・大学院生(5分野限定) |
| 金額 | 月額60,000円(学部)/ 70,000円(大学院) |
| 返済要否 | 不要 |
※ 掲載金額は調査時点のものです。年度により変更される場合があります。
戸部眞紀財団は、故・戸部眞紀氏が2013年10月に逝去した際、遺言により奨学助成に関する財団設立の意思と大塚ホールディングス株式の拠出を遺したことを受けて、2013年12月に設立された公益財団法人です。化学・食品科学・芸術学/デザイン学・体育学/スポーツ科学・経営学の5分野を対象とした給付型奨学金を提供しています。募集要項上の採用人員は60名ですが、2026年度は実際には応募837名から127名を新規採用しており、継続分を含む2026年度の奨学生は302人と、民間財団の中でも採用規模が大きい制度です。
支給額・支給期間
- 学部生: 月額6万円(60,000円)、年額72万円
- 大学院生: 月額7万円(70,000円)、年額84万円
- 期間: 2年間(2026年度採用の場合、2026年4月1日〜2028年3月31日。進級・進学の如何を問いません)。給付期間終了後は2年間の実績等の審査により延長が認められる場合があり、延長を含めた給付期間は合計最長4年間。優れた実績を残した場合は審議のうえ5年目以降も博士課程修了まで延長される場合があります
- 支払方法: 初年度は4月からの4か月分を7月に、以降は偶数月に2か月分ずつ直接本人に給付
- 併給時の減額: 他の高額な返済義務なしの奨学金(他機関との合計が概ね200万円以上)と併給する場合は半額となる場合があります
※ 掲載金額は調査時点のものです。年度により変更される場合があります。
採用倍率・採用人数
| 項目 | データ |
|---|---|
| 採用人数 | 127名(2026年度新規。大学院92名・学部35名、留学生6名含む) |
| 応募人数 | 837名(2026年度。大学院596名・学部241名) |
| 倍率 | 非公表(応募・採用数からの単純計算では約6.6倍) |
| 継続採用 | 175名(2025年度以前からの継続) |
| データ出典 | 戸部眞紀財団 選考結果 |
このデータについて
公式の選考結果ページに、分野別の応募人数・採用人数の内訳表が2014年度分から毎年公表されています。2026年度は応募837名(大学院596・学部241)に対し新規採用127名(大学院92・学部35)。募集要項上の採用人員「60名」を大きく上回る採用が行われており、継続175名を含む2026年度の奨学生は302人です。事業開始当初の奨学生は43人で、そこから302人へと採用規模を拡大してきた経緯があります。応募・採用の内訳をここまで開示する財団は珍しく、財務・選考の透明性は高い部類です。
推定される競争率
公表値からの単純計算で2026年度は約6.6倍(応募837÷採用127)。大学院(596→92、約6.5倍)と学部(241→35、約6.9倍)で大きな差はありません。5分野限定ながら応募手続きを本人が行える制度(推薦状は必要)のため、応募母数が大きくなりやすい構造です。
応募資格・条件
成績要件
「向学心に富み、学業優秀であり、且つ、品行方正である者」が要件です。応募時に累積GPAが記載された成績証明書(原本)の提出が必須です。具体的なGPA基準値は公表されていません。
所得制限
家計の収入による応募制限(数値基準)はありませんが、応募資格に「学資の支弁が困難と認められる者」があり、家計状況は選考過程で審査の対象になります。採用決定後には所得証明書の提出が必要で、願書の「年収」欄との差異が大きい場合は失格となる場合があります。
その他の条件
- 日本国内の大学・大学院に在籍していること(外国人留学生は私費留学で在留資格「留学」の者のみ)
- 学部3年生以上または大学院生(修士・博士)であること
- 2026年4月1日時点で30歳以下であること(育児・病気・自然災害等のやむを得ない事情がある場合はその限りではない)
- 対象5分野: 化学、食品科学(「食全般」に関する研究)、芸術学/デザイン学、体育学/スポーツ科学、経営学(ビジネス・公共経営、マーケティング等)
- 推薦状が必要: 財団指定フォーマットで、学長または部局長(学部長・研究科長・センター長等)の記名・職印押印と、指導教員の署名捺印が必要です。応募手続き自体は本人がWebと郵送で行います(大学経由の取りまとめではありません)
申請方法・スケジュール
- 財団公式サイトで募集要項を確認(例年3月に募集開始。2027年度募集は2027年3月開始と公表済み)
- 必要書類を準備(奨学生願書、推薦状、在学証明書、成績証明書=累積GPA記載の原本、住民票、写真データ)
- Web提出(2026年度は5月8日締切)
- 郵送書類の送付(2026年度は5月12日財団必着)
- 選考
- 採否結果発表(7月上旬頃)
※ 2026年度の募集は終了しています(2027年度は2027年3月開始予定)。
他制度との併用可否
他の奨学金との併給は条件付きで可能です。
- 他の高額な返済義務なしの奨学金(民間団体・地方自治体等)と併給する場合、他機関との合計が概ね200万円以上だと本奨学金が半額になる場合があります
- JASSO給付型奨学金・学費の免除等は、併給しても半額の対象にはなりません
- 博士課程向けの公的支援制度(JSPS特別研究員、JST次世代研究者挑戦的研究プログラム・創発的研究支援事業等)に採用された場合は、給付金額が半額(年額42万円)になります
- 併給不可の他機関の奨学金に申請中または受給中の場合は応募できません
注意点
- 対象分野が5分野(化学、食品科学、芸術学/デザイン学、体育学/スポーツ科学、経営学)に限定されています
- 学部1・2年生は対象外です(学部3年生以上)
- 支給期間は2年間で、2年目は財団側が進級・進学等の進路状況を確認のうえ審議する方式です(本人の再申請ではありません)。その後も審査により最長4年まで延長の可能性があります
- 応募手続きは本人が行いますが、学長・部局長等の推薦状(職印付き)と指導教員の署名が必要なため、準備には大学側との調整が必要です
- 休学中は給付が休止されます
- 財団は奨学金のほかに研究助成金(2026年度46件採択)と芸術活動助成(2026年度新設・28件)も運営しています
出典・公式サイトリンク
出典: 戸部眞紀財団 奨学生募集要項(2026年7月調べ) 出典: 戸部眞紀財団 選考結果(2026年7月調べ) 出典: 戸部眞紀財団 本財団について(2026年7月調べ)
調査ノート
調べたこと
- 財団の設立経緯(2013年10月に逝去した戸部眞紀氏の遺言と大塚ホールディングス株式の拠出を受け、2013年12月6日に設立)
- 給付額(学部月額6万円・大学院月額7万円)と支給期間の正確な規定(2年間・審査で最長4年・例外的に5年目以降も)
- 支払方法(初年度7月に4か月分、以降偶数月に2か月分)
- 応募方式(本人がWeb+郵送で応募。学長・部局長の職印付き推薦状と指導教員署名が必要)
- 2026年度の応募・採用実績(応募837名・新規採用127名・継続175名。選考結果ページに2014年度からの内訳表)
- 所得の扱い(数値基準なし・ただし「学資の支弁が困難と認められる者」が応募資格で、家計は選考の審査対象。採用後は所得証明書必須)
- 併給の詳細(概ね200万円以上で半額の場合あり・JSPS/JST等採用者は年額42万円に減額・JASSO給付型と学費免除は減額対象外)
- 年齢要件の例外(育児・病気・自然災害等)と休学中の給付休止
- 財団の他事業(研究助成金・芸術活動助成)
調べてみて気づいたこと
- 募集要項の採用人員は「60名」ですが、2026年度の実際の新規採用は127名と2倍超でした。応募837名という母数や分野別内訳まで2014年度から毎年公表されており、「要項の募集人数」と「実際の採用数」がここまで乖離する例があると知れたのは選考結果ページを掘ったからです。要項だけで規模を判断すると半分に見誤る制度でした
- 対象5分野が「化学、食品科学、芸術学/デザイン学、体育学/スポーツ科学、経営学」という他に見ない取り合わせです。由来を説明したくなる並びですが、公式にその説明はないため、憶測は書かず並びだけを記録しています
- 併給ルールが「他機関との合計が概ね200万円以上だと半額になる場合あり」「JSPS特別研究員・JST創発等の採用者は年額42万円へ減額」「JASSO給付型と学費免除は減額対象外」と、可否の○×ではなく減額の階段で設計されています。「併用可=満額もらえる」ではない好例でした
調べられなかったこと
- 具体的なGPA基準値(累積GPAの提出は必須だが基準値は非公表)
- 継続審議(2年目・延長時)の具体的な基準
- 運用資産の規模
※ 本ページは2026年7月22日に公式一次資料(募集要項・選考結果・財団概要)で全面再検証済みです。過去に当ページは支給期間を「1年間(毎年再申請)」、応募人数を「非公表」と記載していましたが、正しくは支給期間2年間(審査で最長4年)・応募人数は公表(2026年度837名)でした。お詫びして訂正します。