制度概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 提供元 | 岩國育英財団 |
| 種別 | 給付型(返済不要) |
| 対象 | 大学学部1年次生(4年制大学) |
| 金額 | 年額40万円 |
| 返済要否 | 不要 |
※ 掲載金額は調査時点のものです。年度により変更される場合があります。
岩國育英財団は、セブン-イレブン・ジャパン創業者の一人である故・岩國修一氏が1993年に個人資産(現金5億5百万円、株式約16億6千万円相当)を拠出して設立した公益財団法人です。設立の理念では「思いつきや亜流ではない真の創造性、我流ではない独創力」を備え、社会への貢献を目指す志の高い人物の育成を掲げており、概要ページには基本財産5億円・運用財産5億円という財産規模も公表されています(財務諸表PDFも公開)。大学学部1年次生を対象に年額40万円を4年間支給します。成績基準や所得制限がなく、「個性」と「チャレンジ精神」を重視した選考を行うのが大きな特徴で、この理念が成績不問選考の背景になっています。
支給額・支給期間
- 金額: 年額40万円(月額換算約3.3万円)、4年間で総額160万円
- 期間: 4年間(医学部等6年制でも4年間)
※ 掲載金額は調査時点のものです。年額40万円は2026年度採用分からの金額で、2025年度までは年額30万円(総額120万円)でした。
採用倍率・採用人数
| 項目 | データ |
|---|---|
| 採用人数 | 17名(2026年度・第33期生の最終合格者数、うち留学生1名) |
| 累計採用者数 | 450名以上 |
| 応募人数 | 非公表 |
| 倍率 | 非公表 |
| データ出典 | 岩國育英財団 奨学生募集 |
このデータについて
募集人数は「14名程度」ですが、年度別の最終合格者数が公式に公表されています: 2022年度11名、2023年度13名、2024年度13名、2025年度18名、2026年度17名(うち留学生1名)。募集人数を上回る年度もあり、実績は年11〜18名で変動しています。1993年の設立以来の累計給付は450名以上と公表されています。
推定される競争率
成績基準・所得制限なし・自由応募方式・全国の大学が対象という条件設計で、応募者の母数は他の選考型財団より明らかに広くなります。「個性」「チャレンジ精神」重視の書類+面接の2段階審査で年11〜18名に絞り込まれる構造です。応募者数は非公表のため倍率は算定できませんが、自由応募型としては高倍率になりやすい設計と推測されます。
応募資格・条件
成績について
応募書類に成績証明書は含まれず、GPAや評定平均による足切りはありません。選考は「個性」と「チャレンジ精神」を重視するとされています。
家計条件について
家計条件は設けられていません。公式の募集要項に「家計条件は特にありません」と明記されています。ただし対象は「厳しい修学状況」にある学生とされており、応募の前提として意識しておく必要があります。
その他の条件
- 4年制大学の学部1年次生であること(4月1日時点で在籍、休学者を除く)
- 全国の大学が対象(指定校なし)
- 国籍不問
- 医学部については、将来研究者を目指している者
- 「自ら新しい枠組を創造しようとする者」が求められている
- 自由応募方式(大学推薦不要、個人で直接応募可能)
申請方法・スケジュール
- 公式サイトから応募書類をダウンロード
- 願書・エピソードシート・課題作文(「自分の未来に何を想う?」600字以内)・自己PRシート・奨学生所見書(所見者は親族を除く)を作成
- 財団事務局へ郵送(2月1日〜4月下旬、必着)
- 書類審査(結果は5月上旬に郵送)
- 面接(5月下旬の土日。交通費は財団負担)
- 採用決定(5月末頃に郵送)
※ 2026年度の募集は終了しています(2026年4月24日締切)。
他制度との併用可否
他の奨学金との併用は可能です。公式に「他の奨学金との併給は可能です(当財団は併給を奨励します)」と明記されています。
注意点
- 学部1年次生のみが対象のため、入学直後に応募する必要があります(2月から受付開始なので、合格前に応募準備が可能)
- 大学院は現在公募されていません(累計450名以上には過去の大学院生も含まれます)
- 採用後は全奨学生交流ゼミナール(6月)、合宿型の交流ゼミナール(10月、2〜3日間)、卒業パーティー(3月)への参加が求められます
- 交流会費補助(懇親会等を想定、1人年間2万5千円限度)と宿泊企画交流補助(合宿等を想定、1人年間3万円限度)の制度があります
- 各交流行事の費用は財団負担です
- 面接選考があるため、書類だけでなく対面での「個性」も評価されます
- 進路変更による奨学金返済は原則として一切ありません
出典・公式サイトリンク
出典: 岩國育英財団 奨学生募集(2026年7月調べ) 出典: 岩國育英財団 財団とは(2026年7月調べ)
調査ノート
調べたこと
- 岩國育英財団の設立経緯(1993年3月、セブン-イレブン・ジャパン創業者の一人・岩國修一氏が現金5億5百万円と株式約16億6千万円相当の個人資産を拠出)
- 給付額(年額40万円、4年間で総額160万円)と増額の経緯(2025年度までは年額30万円・総額120万円。公式ページの年度間比較で確認)
- 選考基準(成績・所得制限なし、個性とチャレンジ精神を重視)
- 応募方法(自由応募方式、大学推薦不要)と応募書類一式
- 年度別の最終合格者数(2022年度11名〜2026年度17名)
- 採用後の交流プログラム(ゼミナール・合宿・卒業パーティー)と補助制度(交流会費2.5万円限度・宿泊企画3万円限度)
- 他奨学金との併用可(併給を奨励)
調べてみて気づいたこと
- 「他の奨学金との併給は可能です(当財団は併給を奨励します)」という書き方は、これまで調べた財団の中でも記憶にないほど踏み込んだ表現でした。併用不可や受給上限つきが多い給付型の中で、明確に逆を向いています
- 募集人数「14名程度」に対して最終合格者は2025年度18名・2026年度17名と、2年続けて募集人数を上回っています。「程度」の幅が上振れ方向に働く財団もあるわけで、募集人数と採用実績を別々に確認する意味を実感しました
- 応募書類に成績証明書がなく、代わりに600字の課題作文・エピソードシート・自己PRシートが並びます。「成績不問」が謳い文句ではなく書類構成のレベルで徹底されているのが印象的でした
調べられなかったこと
- 選考における「個性」の具体的な評価基準
- 応募者数・採用倍率
- 応募者の出身大学の傾向
- 2027年度も年額40万円が継続されるか(増額は2026年度採用分から確認)
※ 本ページは2026年7月22日に公式一次資料(募集要項・財団概要)で全面再検証済みです。