制度概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 提供元 | トヨタ女性技術者育成基金 |
| 種別 | 貸与型(実質無利息・条件により返済免除) |
| 対象 | 理工系を専攻する女子学生(大学1年生・3年生・大学院1年生) |
| 金額 | 2年分120万円単位の融資(年額換算60万円)、最大360万円 |
| 返済要否 | 原則必要(支援企業への入社で全額免除、他の製造業で元金半額免除) |
※ 掲載金額は調査時点のものです。年度により変更される場合があります。
トヨタ女性技術者育成基金は、トヨタ自動車をはじめとするトヨタグループ12社が支援企業となり、ものづくり分野の女性エンジニアを育成することを目的とした一般財団法人です。研修等の育成プログラムと奨学支援(融資型)を組み合わせた、一般的な奨学金とは異なる設計になっています。
2026年7月更新: 初版(2026年3月)では「給付型・月額5万円」と記載していましたが、公式サイトを確認したところ、正しくは「指定金融機関の奨学融資ローンを本人が借り入れ、基金が在学中の利息相当額を給付する実質無利息の貸与型」でした。返済免除の条件を含め全面的に書き直しました。公式サイトのURLも誤っていたため修正しています。
支給額・支給期間 — 「融資+利息給付」という仕組み
この制度は基金がお金を直接給付するのではなく、指定金融機関(三菱UFJ銀行)の奨学融資ローンを学生本人が借り入れる形をとります。
- 融資単位: 2年分120万円(年額換算60万円)
- 学部1〜2年: 120万円、学部3〜4年: 120万円、大学院進学時: さらに120万円
- 最大総額: 360万円(最長6年)
- 在学中の利息: 基金が利息相当額を給付するため実質無利息
- 元金の返済: 卒業後8年間(就職先により免除あり・後述)
返済免除の条件
| 卒業後の進路 | 扱い |
|---|---|
| 基金の支援企業(トヨタグループ12社)に入社 | 元金・利息とも全額返済免除(ただし退社した場合は自己返済に切替) |
| その他の製造業に入社 | 元金の半額と残債利息分を卒業時に一括給付(実質半額免除) |
| 上記以外の進路 | 利息分の給付のみ(元金は自己返済) |
支援企業: トヨタ自動車・豊田自動織機・愛知製鋼・ジェイテクト・トヨタ車体・アイシン・トヨタ紡織・豊田中央研究所・豊田合成・ダイハツ工業・プライムプラネットエナジー&ソリューションズ・トヨタ自動車九州の12社。
応募資格・条件
- 理工系を専攻する女子学生(大学1年生・3年生・大学院1年生が応募可能)
- 日本国籍を有し日本に居住していること(金融機関の融資審査あり)
- 基金の育成プログラム(研修・交流等)への参加
所得制限
原則として、家庭の経済状況に関する制限や条件は設けられていません。
成績要件
明文の成績基準は公表されていません。選考では成績よりもプログラム参加への意欲・熱意が重視されるとされています。
採用規模
基金の育成プログラム全体で、2026年度は約100名の採用が計画されています。奨学融資の利用は希望制のため、「奨学金としての採用人数」は公表されていません(プログラムだけ参加し融資を使わない選択も可能な設計です)。
申請方法・スケジュール
- 基金ホームページからの自由(直接)応募(大学経由ではない)
- 例年12月頃に翌年度の募集案内、5月下旬頃締切
- 選考・採用後、育成プログラムに参加。奨学融資は希望者が金融機関の審査を経て借入れ
他制度との併用可否
併用の可否は公表資料からは確認できませんでした。融資型という性質上、給付型奨学金とは構造が異なるため、他制度側の規定も含めて個別確認が必要です。
注意点
- 「奨学金」だが実態は本人名義の借入れです。支援企業以外に進んだ場合は元金(半額または全額)の返済義務が残ります
- 返済免除は「支援企業に入社し在籍し続けること」が条件で、入社後に退社すると自己返済に切り替わります。進路の自由度と引き換えの設計です
- 金融機関の融資審査に通ることが前提です
出典・公式サイトリンク
出典: 一般財団法人トヨタ女性技術者育成基金(2026年7月調べ)
出典: 奨学支援コース(トヨタ女性技術者育成基金)(2026年7月調べ)
調査ノート
調べたこと
- 制度の正確な構造(本人借入れ+基金による利息給付=実質無利息の貸与型)
- 融資単位(2年120万円)と最大総額(360万円)
- 返済免除の3パターン(支援企業=全額免除/他製造業=元金半額/その他=利息のみ)
- 対象(大1・大3・院1の理工系女子、個人Web応募)と所得制限がないこと
- 公式サイトの正しいURL(www.toyota-rikeijosei.or.jp)
調べてみて気づいたこと
- 「奨学金」と呼ばれていますが、実態は本人名義の銀行ローン(三菱UFJ銀行)を基金が利息負担し、就職先によって元金の免除が決まる仕組みです。給付型/貸与型という2分法のどちらにも素直に収まらず、当サイトの分類で最も扱いに悩んだ制度でした(初版は「給付型・月5万円」と完全に誤っていました)
- 全額免除の条件は「支援企業に入社すること」ではなく「入社して在籍し続けること」で、退社すると自己返済に切り替わります。卒業時点ではなく、卒業後の進路と勤続まで含めて損得が決まる設計は、応募前に理解しておかないと後から効いてきます
- 奨学融資の利用は希望制で、育成プログラムだけ参加して借りない選択もできます。「奨学金としての採用人数」という当サイトの整理項目そのものが、この制度には定義できないことに気づかされました
調べられなかったこと
- 奨学融資利用者の実数(プログラム採用は2026年度計画で約100名だが、融資は希望制のため利用者数は非公表)
- 他の給付型・貸与型奨学金との併用可否
- 選考の具体的な基準・倍率
更新履歴
- 2026年7月: 全面改訂。初版の「給付型・月額5万円・採用約30名」は誤りで、正しくは「実質無利息の融資型(貸与型)・年額換算60万円・条件付き返済免除」。公式サイトURLも「toyotawomensfund.or.jp」(存在しないドメイン)から「toyota-rikeijosei.or.jp」に修正。給付型として扱っていた比較表・集計記事からも除外した