奨学金の選考に面接があると聞くと身構える人は多いと思います。実際、面接がある制度とない制度があり、聞かれる内容もさまざまです。
このサイトで調査した48件の奨学金について、面接の有無と内容を整理しました。面接が公式情報で確認できたのは18件です。
※ 2026年8月3日更新(月次監査): 電通育英会とコカ・コーラ教育・環境財団を面接ありに戻し、博報堂教育財団を保留に移した結果、17件→18件になりました。経緯は「調べてみて気づいたこと」に記載しています。
面接がある制度、ない制度
48件のうち、選考過程に面接が含まれていることが公式情報で確認できた制度は以下のとおりです。
面接ありの制度(18件)
| 制度名 | 面接の形式 | 備考 |
|---|---|---|
| 本庄国際奨学財団 | 二次選考で面接(2月上旬) | 個人応募 |
| 帝人久村奨学金 | 系列別の専門面接+最終面接の2段階 | 個人応募(指導教員の推薦調書) |
| 吉田育英会 マスター21 | 面接選考(7月) | 推薦依頼校の大学推薦 |
| 似鳥国際奨学財団 | 二次選考でオンライン面接 | 個人応募 |
| 旭硝子財団 | 面接(6月)。修博一貫(CMD)・博士の応募者のみで、修士課程の応募者は書類選考のみ | 推薦依頼大学院の推薦 |
| 電通育英会 | 書類選考のあと面接選考 | 対象国公立高校の学校長推薦(高3予約型) |
| コカ・コーラ教育・環境財団 | 書類選考通過者に面接(11月中旬〜) | 本人による直接応募(高3) |
| 服部国際奨学財団 | 対面面接(名古屋・東京) | 個人応募 |
| 日本証券奨学財団 | 書類審査および面接審査 | 指定30大学の学校推薦 |
| 重田教育財団 | 二次選考でオンライン面接 | 個人応募(海外留学向け) |
| 山田長満奨学会 | 面接(2月中旬) | 個人応募 |
| G-7奨学財団 | 書類選考通過者にオンライン面接 | 学校経由で申請 |
| マブチ国際育英財団 | 2次選考通過者に面接による最終選考 | 在籍大学の推薦が必要 |
| 中谷財団 | 対面面接が原則(東京都内・9月中旬) | 個人応募(大学院・BME分野) |
| ダイオーズ記念財団 | 書類選考と並行して応募者面接を実施(例年4月下旬〜5月下旬) | ガクシー経由の個人申込 |
| 竹中育英会 | 書類審査後に面接選考(5月末〜6月初旬) | 大学推薦(博士課程特別は直接応募) |
| アイザワ記念育英財団 | 書類選考+面接選考 | 対象校の推薦 |
| 岩國育英財団 | 書類審査通過者に面接(5月下旬・交通費は財団負担) | 自由応募 |
※ 日鉄鉱業奨学会は「各校から推薦された者の中から選考により決定する」とのみ公表されており、面接の有無を断定できません。
面接なし(書類審査のみ)の可能性が高い制度
以下の制度は、調査した範囲では面接に関する記載が確認できませんでした。
- JASSO給付型奨学金(詳細) — 成績・家計の基準による審査
- JASSO第一種・第二種(第一種、第二種) — 成績・家計の基準による審査
- 大学独自の奨学金(東大、早稲田、慶應、明治、東北大、立命館) — 入試成績・在学成績、または所得基準による選考
- 一部の民間財団(三菱UFJ信託(「財団としての採用面接はありません」と公式明記)、JEES、佐藤奨学会、関育英奨学会、日揮・実吉奨学会、中村積善会、明光教育研究所、キーエンス財団、川村育英会) — 書類審査・学校推薦が中心
- 面接の有無が現行公式ページで確認できなかった制度(博報堂教育財団) — 当サイトは面接選考(7月上旬頃)ありと書いていましたが、2026年8月の再確認では公式サイト本文・2026年度制度概要PDFのいずれにも「面接」の記載がなく、根拠を提示できないため保留に移しました。同財団は一般公募を行わず要項を大学経由でのみ配布しているため、公開資料からは確定できていません
※ 「面接なし」と断定できるわけではありません。制度によっては公式サイトに面接の記載がないだけで、実際には面接が行われている可能性もあります。
面接の傾向
調査から見えてきた傾向を整理します。
個人応募型は面接が多い
個人で直接応募できる制度(重田教育財団、本庄国際奨学財団、似鳥国際奨学財団、服部国際奨学財団、山田長満奨学会、中谷財団、岩國育英財団、ダイオーズ記念財団など)は、面接を選考に含めている傾向がありました。大学の推薦がない分、面接で人物を直接確認するという構造です。
大学推薦型は書類審査中心
大学を通じた推薦制の制度は、大学内選考で絞り込んだ上での書類審査が中心です。ただし、旭硝子財団・吉田育英会・日本証券奨学財団・博報堂教育財団・竹中育英会・アイザワ記念育英財団・マブチ国際育英財団・G-7奨学財団など、推薦型・学校経由型でも面接を行う制度は当初の想定より多くありました(なお帝人久村奨学金は2026年7月の公式再確認で、大学推薦制ではなく個人応募・3段階選考の制度と判明しました)。
JASSO・大学独自は面接が少ない
JASSO(給付型・第一種・第二種)や大学独自の奨学金は、成績基準と家計基準による審査が中心で、面接を設けていない制度が多い傾向にありました。
面接で確認される内容のカテゴリ
面接ありの制度について、確認される内容を5つのカテゴリに分類しました。要項に書かれている事実として確認できたのは「面接審査を行う」という選考方法と、応募資格・応募方式の記載(所得制限の有無、個人応募か推薦か、大学院向けかどうか等)までで、面接の具体的な質問文や確認項目は公開されていません。したがって以下の分類は、要項に確認項目として明記された事実ではなく、要項の応募資格・制度の性格から「面接でも確認されると推測される内容」を当サイトが整理したものです。
| カテゴリ | 説明 | 該当すると推測した制度(当サイトの推測) |
|---|---|---|
| 学業・研究 | 研究テーマ、学業への取り組み、専攻の選択理由 | 大学院向け制度(吉田育英会、本庄国際、帝人等) |
| 将来の計画 | 卒業後のキャリア、社会への貢献 | 多くの制度 |
| 経済状況 | 家計の状況、奨学金の必要性 | 所得制限ありの制度 |
| 志望動機 | なぜこの奨学金に応募したか | 個人応募型の制度 |
| 人物像 | 人柄、意欲、コミュニケーション能力 | 面接を重視すると推測される制度(重田、似鳥等) |
大学院向けと学部向けの違い
- 大学院向け制度 — 吉田育英会や本庄国際奨学財団など研究能力を重視する制度では、研究テーマの説明が中心になると当サイトでは推測しています。これは制度の性格からの推測で、要項に確認項目として書かれているわけではありません
- 学部向け制度 — 将来の計画や人物像の確認が中心になると推測しています。なお公式要項に面接の記載がない制度として、キーエンス財団(月額12万円・採用1,555名=2026年度実績)は選考方法を「学業成績、経済的な状況、小論文等を基に総合的に選考」とのみ記載しています。面接を行わないと明記しているわけではありませんが、少数採用の制度に面接ありが多い一方で大量採用型は書類・小論文中心という対応がうかがえました
調べてみて気づいたこと
48件の面接の有無を整理し、さらに2026年7月の横断監査で全件を公式再確認する過程で、いくつかの構図が見えました。
- 応募方式と面接の有無はおおむね対応していますが、例外は採用規模で説明できそうでした。 個人応募型は面接ありが多く、大学推薦型は書類中心という構図は監査後も残りました。ただし、個人応募でも公式要項に面接の記載がないキーエンス財団(採用1,555名・2026年度実績)のような例外があります。なお公式に「面接なし」と明記しているのは三菱UFJ信託奨学財団のみで(「大学の推薦をベースに書類選考しておりますので、財団としての採用面接はありません。」)、他は「記載がない」にとどまります。少数採用の制度は面接で確認し、大量採用型は書類・小論文で選考するという「採用規模と面接の有無の対応」のほうが、応募方式による区分よりも実態に近いように見えました
- 「推薦型は書類中心」という当初の整理は、監査で大きく崩れました。 面接ありの18件のうち、旭硝子財団・吉田育英会・日本証券奨学財団・竹中育英会・アイザワ記念育英財団・マブチ国際育英財団・G-7奨学財団・電通育英会の8件が推薦型・学校経由型でした。大学推薦や学校長推薦で候補者を絞り込んだ上でさらに面接を行う制度は、当初の想定より多くありました
- 面接の有無という単純な事実で、当サイトは3回も判定を間違えました。 初版では電通育英会・コカ・コーラ教育・環境財団を「面接あり」と書き、7月の監査で「根拠を確認できない」として保留に移し、8月の監査で公式ページに面接の明記があることを確認して再び面接ありに戻しました。7月時点で見落としていたのは、いずれもページ内の下層(電通は選考方法の説明文、コカ・コーラはFAQタブ)に記載があったためです。「探して見つからなかった」と「書かれていない」は違う、という当たり前のことを二往復して学んだ形になります
- 逆方向の誤りもありました。 博報堂教育財団については「面接選考(7月上旬頃)」と書いていましたが、公式サイト本文にも2026年度制度概要PDFにも面接の記載がなく、根拠を提示できないため保留に移しました。同財団は一般公募を行わず要項を大学経由でのみ配布するため、公開情報だけでは確定できません
- 課程によって面接の有無が変わる制度もありました。 旭硝子財団は公式が「修士:書類選考/修士・修博一貫奨学生(CMD):書類選考と面接/博士:書類選考と面接」と課程別に選考方法を書き分けています。当サイトは「面接(6月)」とだけ書いており、修士課程のみの応募者にとっては誤った身構えをさせる記述でした
- 面接で「何を聞くか」まで公開している制度は確認できませんでした。 要項に書かれているのは「面接審査を行う」という選考方法までで、確認内容のカテゴリは応募資格や制度の性格から推測するしかありませんでした。本記事の分類表で要項記載の事実と当サイトの推測を区別しているのは、このためです
注意点
- この整理は48件の奨学金ページの記載内容に基づいています。面接で「実際に何を聞かれるか」は制度・年度によって異なります
- 面接の記載がない制度でも、選考過程で面接が行われている可能性はあります
- 面接内容は年度により変更される場合があります。最新の情報は各制度の公式サイトや募集要項で確認してください
※ このサイトは個人が運営する調査ノートです。面接の具体的な対策やアドバイスを提供するものではありません。
出典
この記事の情報は、以下のページの調査内容に基づいています。
- 給付型奨学金 金額比較表(39件の給付型奨学金を横断比較)
- 各奨学金の個別ページ(このサイトで調査した48件)
調査ノート
調べたこと
- 48件の奨学金ページにおける面接の記載の有無(2026年7月22日の横断監査で全件を公式再確認)
- 面接が公式情報で確認できた制度のリスト(18件。2026年8月の月次監査で電通育英会・コカ・コーラ教育・環境財団を追加、博報堂教育財団を保留に移動、旭硝子財団に課程別の区別を追加)
- 面接の記載がなかった制度・確認できなかった制度の整理
- 面接で確認される内容のカテゴリ分類(学業・将来・経済・志望動機・人物像。要項の応募資格・制度の性格からの当サイトの推測による分類)
- 個人応募型と大学推薦型での面接傾向の違い
- 大学院向けと学部向けでの面接内容の傾向
調べられなかったこと
- 各制度の面接で「実際に聞かれた具体的な質問」(体験談は調査対象外)
- 面接の所要時間や面接官の人数
- オンライン面接と対面面接の割合
- 面接の合格率・通過率
- グループ面接と個人面接の比率