奨学金に応募しようとしたとき、多くの人が最初に気にするのが「成績基準」です。「自分の成績で応募できるのか」という不安は、奨学金を探す学生にとって共通の悩みでしょう。
このサイトで調査した46件の奨学金ページから、成績要件の実態を調べました。
成績要件がある制度、ない制度
46件の奨学金のうち、39件(約85%)に成績要件がありました。一方で7件は成績基準を設けていません。
成績要件がない7件は以下のとおりです。
| 制度名 | 提供元 | 選考で重視されるポイント |
|---|---|---|
| 岩國育英財団 給付奨学金 | 岩國育英財団 | 個性・チャレンジ精神 |
| キーエンス財団 給付型奨学金 | キーエンス財団 | 小論文・人物 |
| 早稲田大学 めざせ!都の西北奨学金 | 早稲田大学 | 入試合格が条件 |
| 慶應義塾大学 学問のすゝめ奨学金 | 慶應義塾大学 | 入試合格が条件 |
| あしなが育英会 奨学金 | あしなが育英会 | 家庭状況(遺児対象) |
| 交通遺児育英会 奨学金 | 交通遺児育英会 | 家庭状況(交通遺児対象) |
| 明光教育研究所 給付奨学金 | 明光教育研究所 | 経済状況・学習意欲 |
成績不問の制度にはいくつかのパターンがあります。大学独自の制度(早稲田・慶應)は入試の合格自体が学力証明になるため、別途の成績基準を設けていません。遺児対象の制度(あしなが・交通遺児)は家庭状況を最重視しています。岩國育英財団やキーエンス財団は成績よりも人物像や将来性を重視する選考方針を採っています。
具体的な成績基準を整理する
成績要件がある39件の制度について、具体的な数値基準を整理しました。
高校の評定平均
大学1年次に応募する場合、高校時代の評定平均(5段階)で判定されるケースが多くあります。
| 基準値 | 該当する制度 |
|---|---|
| 4.0以上 | G-7奨学財団、森下仁丹奨学会 |
| 3.5以上 | 電通育英会、伊藤謝恩育英財団、日本証券奨学財団、佐藤奨学会、コカ・コーラ教育・環境財団 |
| 明示なし | 「学業優秀」「成績優秀者」としか記載がない制度が多数 |
評定平均3.5以上を求める制度が多い傾向です。4.0以上は比較的厳しい基準で、該当するのは少数です。
大学のGPA
大学2年次以降に応募する場合、大学のGPAで判定されます。
| 基準値 | 該当する制度 |
|---|---|
| 3.1以上 | G-7奨学財団 |
| 2.8以上 | 森下仁丹奨学会 |
| 2.5以上 | マブチ国際育英財団 |
| 独自計算式 | 竹中育英会(秀優良可の加重計算で85以上) |
| 明示なし | 多くの制度が具体的なGPA数値を公開していない |
GPA基準を明示している制度は意外に少なく、「成績優秀であること」という曖昧な表現にとどまる制度が大半です。明示されている場合、GPA2.5〜3.1の範囲が多いことが分かりました。
「成績優秀」とだけ書かれている制度
調査した39件のうち、具体的な数値基準を公表していない制度が多数ありました。これらの制度では「学業優秀」「成績が優れていること」などの表現で成績要件を示しており、実際の基準は大学推薦の段階で判断されるか、書類審査で総合的に評価されます。
具体的な閾値が分からない場合でも、大学の奨学金窓口に相談すれば、推薦基準の目安を教えてもらえることがあります。
成績以外に重視されるポイント
成績要件がある制度でも、成績だけで採否が決まるわけではありません。調査した制度の多くは、成績に加えて以下のポイントを選考基準に含めています。
経済状況
46件中31件が所得制限を設けています。家計の状況は成績と並ぶ重要な選考基準です。
小論文・作文
鷹野学術振興財団(研究の社会応用に関する小論文)、岩國育英財団(「自分の未来に何を想う?」)、森下仁丹奨学会(「私の描く学生生活」)など、作文や小論文を課す制度は少なくありません。
面接
竹中育英会、岩國育英財団など、面接選考を実施する制度もあります。当サイトで調査した46件のうち面接ありは15件でした(詳しくは奨学金の面接、何を聞かれるのかを参照)。
推薦書
大学推薦方式の制度では、指導教授や奨学金窓口からの推薦が選考に大きく影響します。
まとめ
- 46件中39件(約85%)に何らかの成績要件がある
- 高校の評定平均は3.5以上が一般的、4.0以上は少数
- 大学のGPAは2.5〜3.1の範囲が多いが、具体的な数値を公表していない制度も多い
- 成績不問の制度は7件あり、大学入試型・遺児対象型・人物重視型に分類できる
- 成績だけでなく、経済状況・小論文・面接・推薦書なども重要な選考基準
成績に自信がない場合でも、成績不問の制度や、成績以外の要素を重視する制度が複数存在します。自分の状況に合った制度を探すことが重要です。
調査ノート
調べたこと
- 46件の奨学金ページのrequiresGPA(成績要件の有無)を集計
- 成績要件なしの7件の選考基準を個別に確認
- 高校の評定平均の具体的な閾値(3.5以上、4.0以上)
- 大学のGPAの具体的な閾値(2.5〜3.1)
- 竹中育英会の独自成績計算式
- 成績以外の選考基準(経済状況・小論文・面接・推薦書)
調べられなかったこと
- 「成績優秀」とだけ記載されている制度の実質的な基準(非公開のため)
- 各制度で成績がどの程度選考に影響するか(配点比率等は非公開)
- 成績要件を満たしていなくても採用された事例の有無
- 高校と大学で評価方法が異なる制度の統一比較
- 推薦時に大学側が適用している内部基準
出典
各制度の出典は個別ページに記載しています。給付型奨学金 金額比較表もあわせてご確認ください。
※ このサイトは個人が運営する調査ノートです。特定の制度を推奨するものではありません。 ※ 最新の募集要項は必ず各制度の公式ページでご確認ください。