「奨学金は1つしかもらえない」と思っている人は多いかもしれません。しかし調べてみると、実際には制度によってルールが異なり、複数の奨学金を同時に受けられるケースもありました。
このサイトで調査した31件の奨学金ページから、併用に関する情報を整理しました。
併用の基本ルール
奨学金の併用可否には、統一されたルールはありません。お金を出す側(JASSO・大学・財団)がそれぞれ独自に規定を設けています。
つまり「奨学金Aと奨学金Bを併用できるか」を知るには、AとBの両方の規定を確認する必要があります。片方がOKでも、もう片方が禁止していれば併用はできません。
JASSOの併用ルール
JASSOの奨学金は併用に関する情報が比較的明確です。
JASSO給付型 + JASSO貸与型
- JASSO給付型 + 第一種(無利子): 併用可能。ただし給付型の支給区分に応じて第一種の貸与月額が調整(減額)される場合があります
- JASSO給付型 + 第二種(有利子): 併用可能
- 第一種 + 第二種: 併用可能(同時に2種類の貸与を受けられる)
JASSO + 大学独自・民間財団
JASSOの規定上、大学独自の奨学金や民間財団の奨学金との併用は制限されていません。ただし、大学側や財団側の規定で制限がかかる場合があります。
大学独自奨学金の併用ルール
大学独自の奨学金については、以下の傾向が見えました。
- JASSO給付型との併用: 早稲田大学 めざせ!都の西北奨学金は「JASSO給付型奨学金との併用が可能」と明記しています。他の大学でも多くの場合、JASSO給付型との併用は可能とされています
- 学内の他の奨学金との併用: 同じ大学内の複数の奨学金制度については、制度ごとに併用の可否が異なります。重複受給を制限しているケースもあります
- 民間財団との併用: 大学側としては特に制限がないことが多いですが、財団側の規定を確認する必要があります
民間財団の併用ルール
調査した20の民間財団の奨学金のうち、併用可否を明確に公表している財団は少数でした。
わかったこと
- 吉田育英会は、日本学術振興会特別研究員(DC)との併用は不可と規定しています
- 本庄国際奨学財団も、日本学術振興会特別研究員(DC・PD)との併用に制限がある場合があります
- 旭硝子財団も、日本学術振興会特別研究員との併給制限がある可能性があります
わからなかったこと
大半の財団は「他の給付型奨学金との併用については財団の規定を確認してください」という状況でした。公式サイト上で併用ルールを明確に公開していない財団が多く、個別に問い合わせが必要です。
一般的な傾向
調査の範囲で見えた傾向として、以下のパターンがありそうです(あくまで傾向であり、必ず各制度の規定を確認してください)。
- JASSO貸与型との併用: 多くの財団が制限していない傾向
- 他の民間財団との併用: 制限しているケースが多い傾向(「他の給付型奨学金との重複受給不可」の規定)
- 大学独自奨学金との併用: 財団ごとに異なる
よくある組み合わせパターン
| 組み合わせ | 併用可否 | 備考 |
|---|---|---|
| JASSO給付型 + JASSO貸与型(第一種) | 可(減額あり) | 第一種の貸与月額が調整される場合あり |
| JASSO給付型 + JASSO貸与型(第二種) | 可 | 制限なし |
| JASSO第一種 + JASSO第二種 | 可 | 同時貸与可能 |
| JASSO給付型 + 大学独自 | 多くの場合可 | 大学の規定による |
| JASSO貸与型 + 民間財団 | 多くの場合可 | 財団の規定による |
| JASSO給付型 + 民間財団 | 財団による | 財団の規定を要確認 |
| 大学独自 + 民間財団 | 制度による | 両方の規定を要確認 |
| 民間財団 + 民間財団 | 制限が多い | 重複受給不可の規定が多い傾向 |
※ 上記はこのサイトの調査範囲で見えた傾向です。実際の可否は必ず各制度の規定で確認してください。
このサイトで調べた31件の併用情報まとめ
31件の奨学金のうち、併用に関する情報が確認できたのは以下のとおりです。
併用可能と確認できた制度(4件)
| 制度名 | 確認できた併用先 |
|---|---|
| JASSO給付型奨学金 | JASSO貸与型、授業料減免、大学独自(多くの場合) |
| JASSO第一種奨学金 | JASSO給付型、JASSO第二種、入学時特別増額 |
| JASSO第二種奨学金 | JASSO給付型、JASSO第一種、入学時特別増額 |
| 早稲田大学 めざせ!都の西北奨学金 | JASSO給付型(明記あり) |
要確認の制度(27件)
残りの27件は、公式サイト上で併用ルールが明確に確認できませんでした。各財団・大学への個別の問い合わせが必要です。
この結果は、併用情報が「調べにくい」ことを示しています。制度の説明ページには金額や応募条件は書いてあっても、「他の奨学金と併用できるか」はほとんど書かれていませんでした。
併用を考えるときのポイント
- まず各制度の規定を確認する — 公式サイトや募集要項に「重複受給不可」等の記載がないか確認
- 大学の奨学金窓口に聞く — 大学推薦制の奨学金であれば、大学の学生課が併用可否を把握していることが多い
- 「併用可能」と書いてなければ不可、ではない — 規定に記載がない場合は、問い合わせて確認する価値がある
- 申請時に正直に申告する — 他の奨学金の受給状況を聞かれた場合は、必ず正確に回答する
調査ノート
調べたこと
- 31件の奨学金ページにある「他制度との併用可否」セクションの情報を整理
- JASSO3制度(給付型・第一種・第二種)の相互併用ルール
- 大学独自奨学金のJASSOとの併用状況
- 民間財団の併用に関する公開情報の有無
調べられなかったこと
- 各民間財団の内部規定(公開されていないものが多い)
- 実際に併用している学生の事例・体験談
- 併用時の税制上の扱い(確定申告が必要になるケース等)
- 大学の学生課が把握している併用可否の一覧情報
- 自治体の奨学金との併用パターン
出典
この記事で言及した各制度の出典は、個別の奨学金ページに記載しています。
- 給付型奨学金 金額比較表 — 29件の金額横断比較
- JASSO貸与型奨学金 比較表 — 第一種・第二種の比較
※ このサイトは個人が運営する調査ノートです。特定の制度を推奨するものではありません。 ※ 奨学金の併用可否は必ず各制度の公式ページまたは窓口でご確認ください。