この比較表について
このページでは、当サイトで調査した奨学金のうち高等専門学校(高専)の学生が使える制度を横断で整理しました。高専生向けの奨学金情報は「大学生向けのページの片隅」にしか存在しないことが多く、高専を主対象とする制度の存在は募集人数の内訳や指定校リストまで掘らないと見えてきません。調べてみると、実は高専が「主役」の財団がいくつもありました。
※ 掲載金額は調査時点のものです。年度により変更される場合があります。
比較表
| 制度名 | 種別 | 高専生の月額 | 高専の対象学年 | 高専の規模 | 応募方式 |
|---|---|---|---|---|---|
| JASSO給付型奨学金 | 給付 | 4,400円〜43,300円(区分・設置者・通学形態による。下表参照) | 4・5年生 | — | 学校経由(予約採用/在学採用は原則春・秋) |
| 日鉄鉱業奨学会 | 給付 | 120,000円 | 4年生 | 指定19高専・2026年度計画70名 | 学校推薦 |
| 川村育英会 | 給付 | 30,000円 | 本科3年生以上(新規採用は本科3年) | 募集55高専・2024年度実績7名 | 学校推薦 |
| 佐藤奨学会 | 給付 | 25,000円 | 高等専門学校在学者(学年の明記なし) | 13名(募集18名の主枠) | 学校推薦 |
| 関育英奨学会 | 貸与(無利息) | 20,000円 | 2〜5年生 | 対象58高専(採用人数非公表) | 学校推薦 |
| G-7奨学財団 | 給付 | 年間上限120万円(個別決定) | 専攻科のみ | 110件程度(全体) | 学校経由 |
このほか、JASSO第一種奨学金(無利子貸与)は高等専門学校も対象、第二種奨学金(有利子貸与)は高専4・5年生が対象です(高専の貸与月額は学年により異なるため、JASSO公式でご確認ください)。
JASSO給付型の高専金額表(4・5年生・2024年度〜)
| 区分 | 国公立・自宅 | 国公立・自宅外 | 私立・自宅 | 私立・自宅外 |
|---|---|---|---|---|
| 第I区分 | 17,500円 | 34,200円 | 26,700円 | 43,300円 |
| 第II区分 | 11,700円 | 22,800円 | 17,800円 | 28,900円 |
| 第III区分 | 5,900円 | 11,400円 | 8,900円 | 14,500円 |
| 第IV区分(多子世帯) | 4,400円 | 8,600円 | 6,700円 | 10,900円 |
同じ区分でも大学生より低い額に設定されています(例: 第I区分・私立・自宅外は大学75,800円に対し高専43,300円)。
比べて見えたこと
- 「高専が主役」の制度は、外からはほぼ見えません。 佐藤奨学会は募集18名のうち13名が高専枠、川村育英会は募集校数が大学48校に対し高専55校と高専の方が多く、日鉄鉱業奨学会は2026年度計画の新規150名のうち70名が高専枠です。いずれも財団名や制度概要の「対象」欄からは分からず、募集人数の内訳や指定校リストまで下りて初めて分かりました。高専生は「大学生向け情報のおまけ」を読むのではなく、内訳を直接確認する価値があります
- 対象学年が制度ごとにバラバラで、本科1〜3年は空白地帯です。 JASSO給付型は4・5年生のみ、日鉄鉱業は4年生、川村は本科3年生から、関育英は2年生からで、本科1・2年生から使えるのは今回調べた中では関育英(貸与)だけでした。本科の低学年は年齢的に高校段階にあたるため、ここで挙げた「大学生向け」制度の枠外になりやすい構造です
- 金額差は月2万円から12万円まで6倍あります。 特に日鉄鉱業奨学会の月12万円は、当サイトで調べた高専生向け給付では突出しており、2026年度の高専70名への拡大計画は高専生の奨学金の風景を変える規模だと感じました(対象は機械・電気・土木・化学系学科で、4年生からです)
- 専攻科は別扱いです。 G-7奨学財団のように「高専は専攻科のみ」という制度があり、本科と専攻科で使える制度が入れ替わります。「高専生対象」と書かれていても、本科か専攻科かの確認が必要でした
注意事項
- 高専の1〜3年生は高校段階の支援制度(高等学校等就学支援金など)の対象になる場合があります。本表は当サイトが調査済みの大学生向け制度を高専の視点で整理したもので、高校段階の制度は含んでいません
- 学校推薦制の制度は、在籍する高専に推薦枠・応募実績があるかを学生課で確認する必要があります
- 対象学年・金額は年度により変更される場合があります。必ず最新の募集要項でご確認ください
※ このサイトは個人が運営する調査ノートです。特定の制度を推奨するものではありません。 ※ 最新の募集要項は必ず各制度の公式ページでご確認ください。
出典
各制度の出典は個別ページに記載しています。上の表の制度名リンクからご確認ください。
調査ノート
調べたこと
- 当サイト掲載制度のうち高専生が対象に含まれる制度の抽出(給付4件+貸与3件+専攻科枠1件)
- 各制度の高専の対象学年(JASSO給付=4・5年/日鉄=4年/川村=本科3年〜/関=2年〜)と高専枠の人数
- JASSO給付型の高専金額表(大学より低い設定であることを含む)
- 高専を主対象とする財団の存在(佐藤=13/18名、川村=募集校数で高専>大学、日鉄=2026年度計画で高専70名)
調べてみて気づいたこと
- 「高専 奨学金」で調べる人が知りたいのは「自分の学年で使えるか」のはずですが、対象学年は要項の奥にしか書かれておらず、この表の「対象学年」列を埋める作業が一番時間がかかりました。制度側の情報が大学生を基準に書かれていて、高専の学年に引き直す一手間が常に必要でした
- 高専関連のデータを集める過程で、日鉄鉱業奨学会の急拡大(月額6万→12万円、新規71→150名計画)のように、高専向けの支援が「いま動いている」ことも分かりました。高専人材への注目が奨学金の設計に反映され始めているのかもしれません(背景の断定は避け、数字の動きだけ記録します)
調べられなかったこと
- 佐藤奨学会の高専の対象学年(募集要項の公開範囲では確認できず)
- 関育英奨学会の高専での採用人数
- 明光教育研究所などの「高校生等」区分に高専本科低学年が含まれるかどうか(要項の学齢区分の定義が確認できず)
- 各高専の学内推薦枠の実態(1校あたり何名まで推薦できるか)
- 高専の専攻科生が使える制度の全体像(今回はG-7の専攻科枠のみ確認)