この比較表について
このページでは、当サイトで募集要項まで確認できた大学独自の給付型奨学金(6大学7制度)を横断で整理しました。JASSOや民間財団と違い、大学独自の制度は「その大学を受ける人・通う人」しか調べないため、大学をまたいだ比較がほとんど存在しません。並べてみると、金額よりも「いつ・どうやって決まるか」の違いが大きいことが分かりました。
※ 掲載金額は調査時点のものです。年度により変更される場合があります。 ※ 各大学には他にも独自奨学金があります。本表は当サイトが要項ベースで調査した主要制度に限っています。
比較表
| 大学 | 制度名 | 金額 | 採用規模 | 決まり方 | 主な条件 |
|---|---|---|---|---|---|
| 東京大学 | さつき会奨学金 | 月額5万円(年額60万円) | 3区分計60名超(2027年度: A型約30名+B型3名+C型約30名) | 入試出願前に学校長経由で申請(予約型) | 女子学生限定。C型は家計基準なし |
| 東京大学 | 学部学生奨学金 | 年額50万円(入学後1年間) | 2名 | 入試出願前に学校長経由で申請(予約型) | 学習成績概評A以上 |
| 早稲田大学 | めざせ!都の西北奨学金 | 年額45万〜70万円(学部別定額・4年間) | 採用候補者1,200名(第一回900名+第二回300名) | 入試出願前に申請(予約型・2回制) | 一都三県以外の国内高校出身(東京都島しょ部は対象)。総合型・学校推薦型選抜も対象 |
| 慶應義塾大学 | 学問のすゝめ奨学金 | 年額60万円(医90万・薬80万円)+初年度20万円 | 500名以上 | 入試出願前に郵送で申請(予約型) | 首都圏以外の国内高校出身+家族も首都圏外+入学後自宅外通学。一般選抜での入学限定 |
| 明治大学 | 特別給費奨学金 | 授業料相当額(年額約86万〜122万円・4年間) | 非公表 | 申請不要(入試成績で自動選考。合格発表時にUCAROで通知) | 文・理工・情報コミュニケーションの3学部のみ |
| 東北大学 | 元気・前向き奨学金 | 年額36万円(一括支給・1年間) | 50名程度 | 入学後の7月にGoogleフォームで応募 | JASSO給付奨学金の対象外の学生。所得の低い順に選考(成績基準なし) |
| 立命館大学 | 西園寺記念奨学金(成績優秀者枠) | 学期15万円(文系10学部)/30万円(理系等7学部) | 学部・回生ごとに定員 | 申請不要(学部がGPAに基づき毎学期推薦・決定) | 1回生春学期は対象外。毎学期選び直し |
比べて見えたこと
- 「いつ・どうやって決まるか」で3タイプに分かれます。 ①入試出願前に申請する予約型(東大2制度・早稲田・慶應)、②入学後に応募する型(東北大)、③申請そのものが存在しない自動選考型(明治・立命館)。7制度中4制度が「受験前に動かないと使えない」予約型で、大学独自の給付型は受験校を決める段階の情報だということが、並べてみるとはっきりします。高3の秋〜冬(早稲田10月〜・慶應10〜11月・東大さつき会10〜11月/学部学生奨学金1月)が申請の集中期です
- 同じ「地方出身者向け」でも、早稲田と慶應は適用範囲が別物でした。 慶應は一般選抜での入学限定・家族も首都圏外に居住・入学後自宅外通学が条件。早稲田は総合型選抜・学校推薦型選抜も対象で、東京都でも島しょ部の高校出身者は対象になります。当サイトはこの2制度を似た制度として扱い、初版で両方に誤りを書いた経緯があります(慶應に「地域による金額差」、早稲田に「一般選抜限定」——どちらも相手の制度の特徴の混入でした)
- 奨学金の額面だけでは大学間の比較になりません。 東京大学は2025年度から授業料免除を拡充し、世帯年収600万円以下は全額免除です。大学の経済支援は「奨学金+授業料免除」の二階建てで、奨学金が小さく見える大学が免除で厚い場合があります。両方を別々に申請する必要がある点も含めて、片方だけ見ると判断を誤ります
- 規模のレンジが2名〜1,200名と極端です。 東大の学部学生奨学金(2名)と早稲田(採用候補1,200名)が同じ「大学独自の給付型」という括りに入っており、この括り自体があまり意味を持ちません。制度ごとに「象徴としての奨学金」か「制度としての奨学金」かの性格差があると感じました
注意事項
- 各大学にはここに載せた以外の独自奨学金・授業料減免制度があります(東大の授業料免除拡充、明治の「おゝ明治奨学金」、立命館の学費減免など)。詳細は各大学の奨学金一覧ページで確認してください
- 予約型の申請期間は年度ごとに変わります。必ず当年度の募集要項で確認してください
- 京都大学・大阪大学については、当サイトは過去に誤った制度情報(実在しない制度・終了した制度)を掲載し削除した経緯があります。現在は提供元ページ(京都大学・大阪大学)に調査記録を残しています
※ このサイトは個人が運営する調査ノートです。特定の制度を推奨するものではありません。 ※ 最新の募集要項は必ず各制度の公式ページでご確認ください。
出典
各制度の出典は個別ページに記載しています。上の表の制度名リンクからご確認ください。
調査ノート
調べたこと
- 6大学7制度の金額・採用規模・申請方式・対象条件の横断整理(いずれも当サイトの個別ページで募集要項ベースの確認済み)
- 「決まり方」による3分類(入試前予約型/入学後応募型/申請不要の自動選考型)
- 早稲田と慶應の地方出身者要件の細部の違い(対象入試・家族の居住地・島しょ部の扱い)
- 東京大学の授業料免除拡充(2025年度から世帯年収600万円以下で全額免除)と奨学金の二階建て構造
調べてみて気づいたこと
- 大学独自の給付型は、6制度を1つの表に並べたページが(大学公式にも他サイトにも)ほとんど見当たりませんでした。各大学が自分の制度だけを案内する構造上、「比較」という視点自体が生まれにくい領域なのだと思います。受験校を迷っている段階でこそ役立つ情報なのに、迷っている人が一番アクセスしにくい形で散らばっていました
- 「申請不要」の2制度(明治・立命館)は、応募という行動が存在しないため、知らなくても損をしない代わりに、知っていれば学部選び・履修の力の入れ方が変わる性質の制度です。奨学金を「申請するもの」として整理してきた当サイトの枠組みからはみ出す存在で、比較表の列設計(「申請時期」ではなく「決まり方」)を変えるきっかけになりました
調べられなかったこと
- 明治大学 特別給費奨学金の採用人数(公式が「公表はしておりません」と明言)
- 各制度の応募倍率(いずれも非公表)
- 6大学以外の大学独自給付型の全体像(本表は当サイトが個別に検証済みの制度のみ。網羅ではありません)
- 早稲田の家計基準の年収上限、東大さつき会B型(都道府県指定口)の指定都道府県一覧